牛乳を飲むと寿命が短いという調査の不備
みなさん、こんにちは！
B-CHANです。
牛乳に関する調査記事が話題になっています。
痛いニュース(ﾉ∀`) : 牛乳を飲み過ぎる人は寿命短く、骨折増える…スウェーデン研究 - ライブドアブログ
これを読んでどう思いましたか？
いつも言っていますが、情報ってのは、そのまま無条件に鵜呑みにするのではなく、そこに論理的なおかしさが無いかどうかを検証しないと、間違った情報を信じてしまうことになります。
では、この牛乳の調査はどうでしょうか？
まず、次の例題を考えてみてください。
朝食を食べるか食べないか
ある研究グループが、朝食のダイエット効果を研究するために、100人を2つのグループに分けて、
- 毎朝朝食を食べるグループA
- 毎朝何も食べないグループB
で1年間観察しました。
1年後、グループAの人たちの体重は平均で5kg減り、グループBの人たちの体重は平均で2kg増えました。
研究グループは、毎日朝食を食べた方がダイエットに効果があると発表しました。
さて、このニュースを聞いて、どう思いましたか？
ダイエットのために毎日きちんと朝食を食べよう、と思いましたか？
では、開示されていなかった次の条件が開示されたらどうでしょうか？
- グループAは毎日5kmのジョギングを行った
- グループBは特に規則的な運動は行わなかった
こうなると一気に印象が変わりますよね。
「ダイエットできたのは朝食のおかげじゃなくてジョギングのおかげだろ！」
そうです。この手の調査の注意点はそこです。
ホントに朝食の効果を測定するのなら、朝食以外の条件をまったく同じにしないと意味がありません。
牛乳の調査も同じ
では冒頭の牛乳の調査に戻りましょう。
もうおわかりだと思いますが、今回の調査での牛乳の効果なんて何の信ぴょう性もありません。
なぜなら、長年に渡る観察結果のデータは、牛乳以外の条件が揃っているかどうかがまったくわからないからです。
いや、何年間も全員が牛乳以外の条件を揃えて生活するのは不可能です。
人によって、食事の回数、食事の中身、運動時間、睡眠時間、住む場所、喫煙の有無、年齢、性別、とにかく様々な条件がバラバラです。
バラバラの人たちが長年生活してるんですから、牛乳を飲もうが飲むまいが、寿命が異なってくるのは当たり前の話なんです。
牛乳の影響を比較したいのなら、牛乳以外の条件をまったく同じにしないと何の意味もありません。
つまり、この調査自体が無意味です。
情報を吟味しよう
こうやって論理的に考えれば、簡単におかしさに気付くんですが、そういう基本的な思考を巡らせる事も無く、とにかくマスコミとか研究所とか、そういう何となく権威がありそうな人たちからの情報だと鵜呑みにしてしまう。
そういう人が非常に多い。
それはとても危険なことです。
なぜなら、情報によって簡単に人々をコントロールできることになるからです。
ボクは別に、この牛乳の調査が間違いだと言っているのではありません。
他の条件がバラバラである以上、この調査の結論が「正しい」とか「間違い」と結論付けることが間違いだと言っているのです。
その点に気付くことができる能力を身に付けることが大切で、しかもそれは難しいことでは無いのです。
間違った判断をすると、時には人命に関わったり不幸な選択を行うことになります。
文末にそれに関する関連記事を載せるので読んでみてください。
ニュースが流れてきたら、それに矛盾が無いかどうか、しっかりと検証する習慣を身に付けてください。
ちなみにこの牛乳の調査、次の記事の方がよりマシな書き方をしています。研究の欠点を指摘している点で。
牛乳の飲み過ぎは健康に悪い？スウェーデン研究 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
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