借金
みなさんには借金はありますか?
ボクは日常のほとんどの買い物はカード払いなので、そんな意味では生活費はすべて借金です。
もちろん、すべて、翌々月までには返済は終わりますが。
世の中では一般的には借金は無い方が良いと思っている人が多いです。
借金には悪いイメージがありますね。
でも、世の中には、おカネを貸す事業をする会社はたくさんあります。
金融庁によってガッチリと規制されている銀行がその代表格です。
では、銀行は、おカネを貸すと言う「悪い」事業を行なっているのでしょうか。
もちろん違いますね。
今回の記事の趣旨は、物事の両面性です。
それを借金を使って説明します。
住宅ローン
自宅を買う人の大部分は住宅ローンを利用します。
住宅ローンは借金です。
では、住宅ローンを借りることは悪いことなのでしょうか。
そもそも、なぜ住宅ローンを借りるのかを考えてみましょう。
なるべく話をカンタンにするため、単純な数字にしましょう。
例えば、3000万円の住宅を全額、ローンで買うとします。
返済は30年間。金利は3%。
この住宅を買うAさんは現在30歳。
Aさんは住宅ローンを借りることによって、30歳からこの家に住むことができるわけです。返済が終わるのは60歳ですね。
では、もし、Aさんが、この巨大な借金を使わなかったとしたら、どうなるでしょう。
その場合は、30歳からコツコツと貯金して、60歳近くになって3000万円貯まったら、その家を買うことができます。
つまり、それまではずっと賃貸生活で、老後が近くなってから、やっと自分の家を持つことになるわけです。
その代わり、住宅ローンの金利を払う必要は無いわけですね。
これでわかるように、住宅ローンという巨大な借金には大きなメリットがあるんですね。
そのメリットとは、何かを手に入れる時間を早めることができるというモノです。
借金とは金利と言うコストを払うことによって時間を買う
と覚えておいてください。
これは世の中のすべての借金に当てはまります。
上記の住宅ローンの例では、年間3%と言う金利(コスト)を支払って、30年近い期間を買っているわけです。
価値
クルマを買うのもパソコンを買うのも同じ。
貯金を貯めてから買うか、金利を支払って借り入れて、先にモノを手に入れるか。
ここでボクが言いたいのは、
- おカネの価値 = 有限
- 時間の価値 = 無限
と言うことなんです。
おカネは稼ぐことによって増やすことができますよね。
しかし時間は絶対に増やせません。
今日と言う1日は二度とやって来ないのです。
もし、借金が悪いモノであるなら、借金は絶対にしない方が良いでしょう。
しかし、それによって時間が犠牲になります。
有限価値のおカネを節約することによって無限価値の時間を失うんですね。
世の中のほとんどの会社には借金があります。
無借金経営の会社はごく一部です。
あのトヨタ自動車もソフトバンクも、巨大な借金を抱えています。
巨大な借金を抱えることによって時間を買い、それによって巨額の利益を得ているのです。
よく、借金と赤字を混同している人がいますが、それは根本的な誤りです。
借金はバランスシートつまり企業の状態の話、赤字は損益計算つまり業績の話です。
まあ今はそれを書くと話が難しくなるので別の機会にしますが、とにかく、借金をすることで巨大な黒字を得ている企業がたくさんあることを知っておいてください。
本題に戻ります。
物事の両面性ですね。
物事には常に良い面と悪い面があります。
借金には、時間を買えると言うメリットと、金利が発生すると言うデメリットがあります。
デメリットにしか目を向けない人は、メリットを見落とし、結果として、機会を失います。
そう言う人は企業経営には向きません。
メリットがデメリットを上回るのであれば、導入した方が得なわけです。
借金で言えば、支払う金利よりも、得られる時間の価値の方が大きければ、借金した方が良いわけです。
で、世の中の大多数の企業に借り入れがあるのは、その方がメリットがあるからです。
本質を知らずに、ただ単に、
「借金は悪い。」
と教えられて盲目的にそれを信じている人は思考が停止しています。
借金は悪い、と思うのなら、少なくとも、なぜ悪いのかと言う理由をロジカルに考えるべきじゃ無いでしょうか。
そうしないと、判断を誤ります。
企業が借金することには、税制上のメリットなどもありますが、それは専門的になりすぎて、ここだけでは書けないので、またそのうち書きます。
今回は、
物事には両面性がある
ことをしっかり理解して、視野を広げ、しっかり考えることが大切だと言うことを知っておいてください。