非天マザー by B-CHAN

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根本的に間違っている良い見本となる記事を紹介します

人件費と利益

短い記事ですが、こちらのニュースを読んでください。


大手企業の利益温存加速 100社調査、内部留保99兆円 - 47NEWS(よんななニュース)


何を言っているかを簡単に書きます。
大手企業が利益をあげているにも関わらず、その利益を人件費に使わずに企業の貯金として貯め込んでいる、ということを書いています。
正しい知識を持っている人は、この記事が根本的に間違っている事がわかります。
企業の利益は、
売上 - 費用 = 利益
という計算式で算出されます。
もう少し詳しく書くと、売上から売上原価(仕入れにかかるおカネ)を引くと売上総利益が出ます。
そして売上総利益から販売費及び一般管理費を引くと営業利益が出ます。
以下、このようになります。企業の管理職以上の人ならわかりますよね。

売上
-売上原価
売上総利益
-販売費及び一般管理費
営業利益
+営業外収益
-営業外費用
経常利益
+特別利益
-特別損失
税引前利益
-法人税及び住民税
当期純利益


この、一番最後に残った当期純利益が企業の利益になります。
当然、これは株主の財産です。
なので、株主に分配されるものですが、企業は株主に分配する代わりに将来の成長のために新たな投資に使ったり、リスクに備えてある程度は企業内部に留保しておくこともできます。
これが内部留保ですね。
つまり、株主の財産を株主に直接渡すのでは無く、企業内に預かっておく形になります。
新規投資に回して将来さらに成長すれば、その利益も株主のモノなので、内部留保自体は株主にとってもプラスになることもあるわけです。
これでもう、上記の記事の書き方がが間違いである事に気付くんじゃ無いでしょうか。
利益は株主の財産なので、それを人件費に使う事はありえないです。
上記の表を見てください。
「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を引いた残りが「営業利益」ですよね。
この「販売費及び一般管理費」に給料や賃金が含まれています。
つまり、営業利益や当期純利益というのは人件費を使った残りの額を言います。
利益を人件費に回すのでは無く、人件費に回した残りが利益なんです。
そしてその当期純利益を内部留保する企業が多いという話です。
もし株主の財産である当期純利益を勝手に人件費に使ったりしたら、株主から経営陣が訴えられますね。


すべての業界のビジネスマンに会計は必須だと思うんですが知らない人が意外と多いんですよね。
そんな人が出世したら会社は大丈夫?と心配になります。
実際、会計スキル不足のために、黒字なのに倒産してしまう企業は少なくないんですから。
基本だけでも勉強しておきましょう。