おカネの使い方には2種類ある
世の中のすべてのことに興味を持つことを誇りに思っているボクですが、会計も大好きです。
会計的思考って感心させられることが多いんですよね。
前回のエントリーで、本をたくさん読むことを書きました。
本ってたくさん読むとお金がかかりますよね。
でも世の偉人達はみんな口をそろえて、本を読むことはとても大切だと言います。
ボクは偉人ではありませんが、それは強く思います。
もちろん知識を得たり感動したり、いろんな目的があることが本のすばらしい点ですが、会計的にちょこっと書いてみましょうか。
いや、簡単な話です。
消費
普通、モノを買うことを「消費」と言います。
この、消費というキーワード、会計的な意味で言うと、それっきり、ということなんですね。
例えば、肉を買ってきました。
そして、それを調理して食べました。
それで終わりです。それっきりです。これが消費と呼ばれる行動です。
(厳密には肉は体内で栄養分に変わっていきますので、食べた瞬間にそれっきりではないですが、ここでは話を簡単にしましょう)
おカネを使ってモノやサービスを手に入れ、それを利用して終わる。それが消費です。
投資
ところで、会計的におカネを使って行う行動にはもう一つあります。
それは、「投資」と呼ばれています。
消費と投資は何が違うのでしょうか。
簡単に言えば、消費はそれっきりですが、投資は未来があるということです。
例えば、先ほどの例のように、おカネで肉を買えば、それっきりですから、それは消費ですが、
おカネをパチンコに使ったらどうでしょうか。もし勝てば、元手よりも増えるかもしれません。
つまり、おカネを使ってそれっきりではなく、それよりも大きなリターンが得られる可能性がある、
そういう行動を投資と言います。
有名なところでは、株式投資なんかがありますよね。
株を買って、それで終わってしまえば、それは消費ですが、そんな目的の人はいませんよね。
株を買うと言うことは将来のリターンに期待しているわけです。つまり、消費で株を買うのではなく、投資をしているわけです。
不動産も同じです。
自分が住むために不動産を購入すれば、それは消費ですが、他人に賃貸して収益を上げることを目的としているのであれば、それは投資です。
さて、話を最初に戻して。
本を買うと言うことも、実は、ボクは消費ではなく投資だと思っています。
先の多くの偉人達もそういう意味で読書を勧めています。
どういうことか説明しましょう。
本を読むと知識が蓄積されます。
そういった蓄積された知識はいずれ将来役に立ちます。
場合によっては仕事に役立って収入が得られることにもなるでしょう。
つまり、本はただ消費するモノではなく、それで得た知識を役に立てることによって、リターンが得られる可能性があるわけですね。
たくさんの本、例えば10万円分の本を買って、それを単に読んで終わらせてしまえば、それは単なる10万円の消費です。
でも、それで得た知識をフル活用して能力を上げて昇進して給料が30万円上がったらどうでしょうか。
そうなると、本は立派に投資としての役割を果たしてくれたわけです。
本にはそういう可能性が十分にあります。
だから人は勉強するわけです。
本は、世の中で最も低コストで多くの知識が得られる手段の一つです。
知識を得るために学校に通ったりセミナーに出たりすることもあるでしょうが、それらと比べても圧倒的に安いです。
つまり、投資としてのコストパフォーマンスは非常に高いわけです。
前回のエントリーとも関連しますが、
本を読む人と読まない人とでは能力差が歴然と出てきます。
そして、
能力がある人は自分も得をしますし、世の中にも多大なる貢献が出来ますが、
能力が無ければ、自分もあまり得をしないし、人にもあまり貢献できません。
なぜ多くの人が口をそろえて本を読むことを勧めるのかが、なんとなくでもわかってもらえたのでしょうか。
本にはそれだけ低コストで大きな効果がもたらされる力があるからです。
投資対象として抜群なわけですね。
人はよく、宝くじに挑戦します。
しかし宝くじでお金持ちになる確率は数百万分の一。
くじを買うおカネをすべて読書などの能力アップに費やして努力して仕事に役立てたり起業するなりして成功してお金持ちになる確率のほうが、実は比較にならないくらい圧倒的に高いのです。
それでも人はそういう成功確率の高い「投資」はやらずに、とんでもなく失敗確率の高いことにおカネを「消費」して、それっきりおカネを失ってしまうんですね。