驚くべきクリエイティビティ
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
いわゆる家電という分野では、もはや日本の優位性はほとんど無いと思っています。
これは絶対的な話では無く相対的な話です。
昔は日本の家電は100点満点のうち95点で、他国はせいぜい70点から80点だったので、競争相手が弱かったんですよね。
その後も日本の点数は相変わらず高いんですが、諸外国も90点から95点くらいを出せるようになってきたわけです。
製品クオリティが同じレベルなのに日本の方が人件費が高いのでグローバルマーケットで負けるわけです。
つまり日本は相変わらずレベルが高いんですが、他国のレベルも上がったため、相対的に日本の競争力が落ちているんですね。
決して日本のレベルが下がったわけでは無いのに、世界のマーケットで勝てなくなっているのは、そういうところに理由があるのでしょう。
これは仕方がないことですよね。
かつての日本も先進国に追いついたわけですし。歴史は循環します。
とは言え、あらゆる分野で日本の相対的な競争力が落ちたわけでは無いです。
ボクはこの動画を見て感動しました。
単なるオモチャだと思うかもしれませんが、この変形のクオリティってものすごく突き抜けていると思いませんか?
この設計は、工業製品というより、職人による工芸品に近いです。
いわゆるハイテク分野でのテクノロジーとは全然違っていて、むしろアナログなギミックですよね。
このすばらしいギミックはクリエイティビティによるので、決して大量に生み出すことはできません。
つまり、デジタル製品のようなコモディティ化は起こりにくいわけです。
この分野って、実はまだまだ日本以外の国は全然追い付いていない気がするんですよね。
デジタル製品のようにコモディティ化が起こると値崩れに繋がり、経済にダメージを与えます。
仕事をしても儲からない構図になるんですね。
グローバル化は絶対に止められないので、デジタル分野でのレッド・オーシャンで戦って沈んでいくよりも、日本の得意分野であるアナログギミックで戦うのはひとつの価値ある戦略じゃないかと思うんですよね。
それには日本の伝統工芸も含まれると思います。
日本人はすでに長い歴史の中で日本の伝統工芸は見慣れてしまい、むしろ国内市場は縮小しつつあるんですが、外国の人には新鮮です。
最初から世界戦略を視野に入れて日本の伝統工芸を含めたアナログ的なギミックを日本の代表的な産業にすれば、値崩れも起こりにくく、未来は明るい気がします。
日本ではどんどん人口が減りますが世界ではまだまだ増え続けます。
日本文化に飽きてしまった縮小しつつある1億人の日本のマーケットでは無く、最初から70億人の、しかも拡大しつつある世界マーケットに打って出るわけですね。
別に伝統工芸だけではなく上記の動画のようなオモチャも日本らしい製品です。
よく、
「需要の無い業界は淘汰されるべき。」
と言う意見を目にします。
それはまさに正論ですが、実は需要があるのに需要が無いと思い込んで滅んでしまうのはもったいないですよね。
ましてやそれが日本のコア・コンピタンス(中核となる強み)であるなら、みすみす消えゆくのを見届けるのは日本の損失です。
ホントに日本の(伝統)技術は需要が減っているのでしょうか。
いま、ボクはそんなことを考えながら、自分で何かできないかと思いを巡らせているところです。
いかがですか、この高価な(高価格を維持できる=価値が高い)日本の技術。