テレビとインターネット
この記事は専門家向けでは無く素人向けです。
専門家の人にとっては時間の無駄なので、どうぞここを立ち去って他の有意義な活動をしてください。
さて、昔と違って今はインターネットがずいぶん発達し、ネットで動画を見るのが当たり前になりました。
動画と言っても大きく2種類あります。
それは、
- オンデマンド型
- テレビ型
オンデマンドと言うのは要求に沿うと言う意味です。
代表的なのはYouTubeですね。
動画を見たいときに再生できます。
逆にテレビ型は放送時間が決まっているので、録画でもしない限り、決められた時間帯にテレビの前にいる必要があります。
ネットの強みはオンデマンドなんですよね。
にもかかわらず、最近はテレビ型の動画をネットで流すサービスが増えました。
代表的なのは、AbemaTVですね。
ネット放送ですが、テレビと同じように放送時間が決められているので、ユーザーは決められた時間に見る必要があります。
オンデマンドでは無いわけです。
こうなってくると、テレビとの違いって何よ?って話になります。
どちらも時間が決められた放送であり、単にテレビと言う機械で見るかネットで見るかの違いでしかありません。
ネットでこのようなテレビ型の放送が増えれば、従来のテレビはピンチになるのでは?なんて議論もあります。
極端に言えば、ネットでテレビと同じ放送を流せば、わざわざ自宅にテレビ(受像機)と言う機械を買う必要は無くなります。
パソコンでもスマホでも見られるわけですから。
しかもテレビはむやみにチャンネル数を増やせませんが、ネットなら論理的にはいくらでも増やせます。
ニコニコ生放送だけでも数え切れないほどのチャンネル数があります。
では、このままテレビが衰退し、ネットがテレビに置き換わっていくのでしょうか。
実は、そうともいかない事情があります。
固定費と変動費
ここでは番組の制作コストについては触れません。
制作コストはネットでもテレビでもかかるからです。
3人の出演者がいれば3人分のギャラを払う必要があるのはネットでもテレビでも同じですから。
問題は放送コストにあるんです。
昨日のAbemaTVの藤田社長のツイートを見てください。
そして、国内の過去最高同時視聴数を記録したにも関わらず、3日間一回もサーバーを落とさなかったうちのエンジニアも褒めてください。よく頑張った!👍
— 藤田晋 (@susumu_fujita) 2017年11月5日
ネットとテレビの違い。
それは固定費と変動費の概念に通じます。
固定費はその名のとおり固定の費用。
例えば、あなたが宣伝のための看板を制作して街角に設置するとしましょう。
看板の制作に10万円かかりました。
その看板を設置するには場所を借りる必要があります。借りる費用は月に1万円だとします。
すると看板を1年間設置するコストは場所を借りるコストが12万円と最初に看板を制作した10万円の合計22万円ですね。
この看板を100人が見ても1万人が見てもコストは22万円で変わりません。
これが固定費です。
では変動費とは何か。
例えば、あなたがチョコレート店を営むとします。
自宅でお店をやるので、家賃などはかかりません。
チョコレートを1個作るのに材料費が100円かかるとしましょう。
それ以外にコストはかからないとします。
すると、チョコレートがたくさん売れれば売れるほど、もちろん売上金額も増えますが、同時に、材料費も増えます。
チョコレートが100個売れるなら、100個分の材料費は1万円になり、1万個売れるなら、材料費は100万円になります。
たくさん売れれば売れるほど増えるコスト、それが変動費です。
インターネットのサイトは、サーバーと呼ばれるコンピューターが配信処理をしています。
ユーザーが増えれば増えるほど、サーバーは忙しくなるので、より強力つまり高性能なサーバーが必要になります。
それがさっきの藤田社長の発言の意味です。
つまり、ユーザーが増えれば、それだけ、コストも増えていくのです。
変動費のある放送がネット放送です。
一方、テレビと言うのは放送局から電波を飛ばしています。
そして、各家庭のテレビ(受像機)で電波を受けるだけ。
この場合、テレビ局は一定の電波を飛ばしておけば、受信機がいくら増えても、テレビ局の負荷は増えません。
つまり変動費が発生しないのです。
これがネットとテレビの最大の違い。
- ユーザーが増えれば増えるほどコストも上がっていくネット。
- ユーザーがいくら増えてもコストは変わらないテレビ。
と言うことは、同じユーザー数であれば、競争相手としてネットはテレビよりも不利になっていくわけです。
新規でテレビ局を設立するのはとても大変です。
それよりもネットで放送を始める方がはるかにカンタンです。
しかし、ネットの場合は変動費の問題があり、テレビよりも不利です。
ここからわかるように、結局、日本では、テレビの民放キー局は、
- 日本テレビ
- フジテレビ
- TBS
- テレビ朝日
- テレビ東京
そして、
- NHK
この構図は数十年間も変わっていません。
テレビ業界は新規参入が難しく、しかも変動費問題が無い。
必然的に、上記のテレビ局が既得権益に守られます。
手元にあるテレビのリモコンを見てもわかるように、チャンネルのボタンの数を増やすことすら難しいことがわかりますよね。
だから、キー局は既得権益が強力で、倒産もしませんし、不祥事を起こすたびに、
「すみません」
の一言。
民間企業なら業務停止に追い込まれることも少なくないですがテレビのキー局はそれすらありません。
そして国民の財産である電波周波数帯を極端に安い使用料で使っているわけです。
一般企業のような営業努力をしなくても新たに競争相手は増えにくいですし、だから従業員の年収も一般企業より高く保てるわけです。
だからボクは言いたいんですよね。
テレビ局は不祥事を超すたびに、3日間の放送停止処分をしろ。
NHKは営業努力をするために濡れ手に粟の受信料制度をやめろ。
以上、自宅にテレビが無いのでNHKの受信料も払っていないボクの記事でした。