楽天市場の戦略とサウンドハウスの反発
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
楽天市場が振込口座を楽天銀行に統一する話題が波紋を呼んでいます。
楽天市場が銀行振込の振込先を楽天銀行に限定。猛反発のサウンドハウスは撤退を宣言 - Engadget Japanese
みなさんはどう思いますか?
この手の話をするときに大事なのは客観的に見ることです。
例えば、楽天の事を嫌いな人は楽天の行動に対して悪く言うでしょう。
でもそれは主観的な意見です。
良し悪しを判断するには、主観(好き嫌い)を取り除いて客観的に見る必要があります。
メリットについて
まず、楽天市場が楽天銀行に口座を統一することによって生まれるメリットは何でしょうか。
メリットは2つ考えられます。
- 楽天グループにとってのメリット
- 顧客(買い物客)にとってのメリット
まず、楽天グループにとってのメリットですが、これは記事内にも書かれています。
楽天銀行の口座を使うことで楽天銀行の預かり残高が増えます。また送金などの手数料も増えます。
つまり、楽天銀行が今までより儲かるわけですね。
よく、おカネを儲けることを批判する人がいますが、それは根本的な間違いです。
カネ儲けは悪いことだと言っている人には、こう言ってあげよう。 - 非天マザー by B-CHAN
どの会社であれ、儲かれば、経済に良い影響を与えます。従業員の労働環境も良くなります。ビジネスを行って儲けることは良いことです。
ボクは楽天グループとは何の関係も無い人間ですが、他人であっても、儲かれば喜びます。
他人の幸せを喜べない人、人が儲かって、ひがむような人は、きっと愛されないでしょう。
他人の幸せ、他人の不幸せ - 非天マザー by B-CHAN
次に、買い物客にとってのメリットですが、これは簡単。
ショップが不祥事を起こした時に口座をコントロールすることによって、お客さんの救済を行えます。
楽天市場には何万ものショップが出店していますから、中にはお行儀の悪い店もあって、お客さんがおカネを振り込んでも商品を送ってこないなどのトラブルもあります。
その時に、振込口座が楽天銀行であれば、楽天側がその口座を凍結して、お客さんに返金することができます。
つまりお客さんの損害を最小限に留めることができるんですね。
お客さんも安心して振り込みできるようになります。
デメリットについて
次に、デメリットを考えてみましょう。
- ショップにとってのデメリット
- 買い物客にとってのデメリット
が考えられます。
ショップにとってのデメリットとはなんでしょうか。
これはまさに今回、ショップであるサウンドハウスが怒りを表明したことですね。
企業はメインバンクという形で銀行と取引を行い、それによってできるだけ円滑な資金調達ができるような体勢を取ります。
万が一資金繰りが悪化した時に融資が受けられれば倒産を防げますし、事業拡大の資金援助を得られるかもしれません。
しかし楽天銀行にお客さんが買い物の支払金を振り込めば、そこからメインバンクの口座へと移し替える手間とコスト(金銭コストや時間コスト)が発生します。
上記の理由でメインバンクの口座を廃止することはできないので、楽天銀行の口座を通すことはデメリット以外の何物でも無いのです。
一方、買い物客にとってもデメリット。
これは明らかです。楽天銀行を家計のメイン口座にしている人は少ないので、多くの人は他行から楽天銀行に振り込むことになり、手数料が発生するようになります。
今までは、ゆうちょ銀行やメガバンクなどのメジャーな口座を使えていたのなら、これは明確な、お客さんにとってのデメリットです。
Amazonとの違い
楽天市場とサウンドハウスのいきさつを見て、Amazonと出版社の争いを思い出しませんか?
Amazonと、各出版社も争っています。まあ有名な話ですね。
老舗書店:アマゾン学生値引きで出荷停止の中小3社に支援 - 毎日新聞
ご存じ、日本には本の再販売価格維持制度というのがあります。
他のいろんな商品と異なり、本の値段は定価で売ると決まってるんですよ。
定価を維持することで零細書店を保護しようという考えです。
これ、裏を返せば、消費者は定価で買わされているわけです。
本来、いろんな事業者がいれば、価格競争が起こったり品質競争が起こります。
消費者の支持を得られない事業者は淘汰されていくんです。
しかし出版に関しては再販売価格維持制度で事業者が保護されています。
消費者よりも事業者寄りの制度なんですね。
そこに逆らったのがAmazon。
Amazonは徹底的に消費者寄りの戦略を採っています。
消費者のためなら儲けすら捨てる戦略を採っています。
街の本屋さんがAmazonに負けず生き残る方法 - 非天マザー by B-CHAN
ご存知のとおり、Amazonは今や世界最大のネット販売企業。
つまりそれだけ多くの消費者がAmazonを選んでいる、Amazonを支持しているということです。
零細書店や出版社が自分たちを保護するためにAmazonに反抗するということは、消費者のデメリットにもなっています。
そうなると、ますます淘汰されても仕方ないかな、という気分になります。
ホントに生き残りたいのなら自分たちを保護することよりも消費者をどうやって喜ばせるかを考えることが必要ですよね。
今回の楽天市場とサウンドハウスの件。
ボクはどちらの支持者でもありません。単なる一消費者です。
重要なのは楽天市場にメリットがあるか、サウンドハウスにメリットがあるかではありません。
消費者にメリットがあるかどうかです。
そこに賛同が得られる企業が生き残ります。
さっき書いたように、今回の件では、楽天市場にとってはメリット、サウンドハウスにとってはデメリット。しかしそれらは消費者にとっては関係の無いことです。
そして、消費者にとってのメリットとデメリット。
消費者がそれをどう捉えるかが重要です。
まだ始まったばかりで今後の動向はわかりませんが、今回の楽天市場の選択とサウンドハウスの選択。
どちらが正しいかはマーケットが決めるでしょう。
楽天の売上が落ちれば楽天の負け。
サウンドハウスの売上が落ちればサウンドハウスの負け。
今後が楽しみだと思いませんか?
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