電気
電気自動車メーカーの業績が悪いようですね。
内燃機関から電気への移行がまだ早いのでしょう。
でも、それって、電気そのものの否定とは別の話なんですよね。
例えば、鉄道は昔は石炭で走っていましたし、いまでも一部にディーゼルで走る機関車もありますが、ほとんどが電気で動く、いわゆる電車へと移行しました。
照明なんて、ほとんど電気です。
油を使う照明なんて探す方が難しいです。
空調も電気の比率が高くなっています。
洗濯機も冷蔵庫も。
川や井戸で洗濯している人は貴重な存在です。
氷を作るのに、雪国から移動させて日陰で保存している人なんてほぼいません。
ようするに、電気自体は、ほぼ人間に必須のエネルギーなのです。
電気で動く自動車
自動車の場合、電気で動くと言ってしまうと、意味を混同する可能性があります。
ひとつは、駆動力を電気に任せるコト。
もうひとつは、車内設備を電気に任せるコト。
いわゆる電気自動車(EV)と言えば前者です。
そして、現時点でまだ、EVは発展途上です。
だから、エンジン自動車ほど、成熟していません。
デメリットがまだ多いわけです。
一方、カーナビとかパワーウインドウとか電気ブレーキとかシートリクライニングとか空調は、ほぼすべて電気です。
つまり、電気自動車の話とは別に、自動車に電気は必須なのです。
最後の砦である駆動力を電気にできるかどうか。
ここが問題なんですね。
でも実際、さらに技術が進歩して社会インフラも整って、例えば、EVの充電スタンドがガソリンスタンドの数を追い越してしまったらどうでしょう。
燃費もガソリン車より良好。
アナログパーツが減ってデジタルパーツが増えると、経年劣化は減ります。
そして台数が増えれば、規模の経済によって、製造・流通コストもガソリン車より低くなります。
ようするに、ほとんどの面でやがて、EVが内燃機関のクルマを凌駕するコトになるわけです。
そうなっても、ガソリン車の方が良いと言えるでしょうか。
別の言い方をしましょう。
電気なんて、いつ停電するかわからなくて怖いから、病院の設備もすべて電気をやめて油で動かせ、と言えるでしょうか。
そう言うコトです。
電気自動車の良し悪しは、現時点では決まらないのです。