トラディショナル
トラディショナルとは、伝統的と言う意味です。
日本だけでは無いんですが、日本には比較的、トラディショナルなデザインのクルマが少ないと思います。
例えば、海外に目を向けると、ポルシェ911とかミニとかレンジローバーなんかは、モデルチェンジを繰り返しても、同じようなデザインです。
なので、旧型を知っている人なら新型を見ても、車名がわかるんですよね。
旧型も新型も同じようなデザインであり、そのデザインがそのクルマのアイデンティティでありアイコンなのです。
試しにレンジローバーのウィキペディアで歴代のモデルを見てください。
そっくりでしょ。
ところが日本ではほとんどのクルマが、モデルチェンジのたびにデザインが激変したりします。
新規獲得コストは高い
例えば、日本で一番有名なクルマのひとつであるカローラ。
同じカローラと言う名前ながら、セダン、ステーションワゴン、ミニバン、SUVなど、多岐にわたるモデルが発売され、しかもモデルチェンジするとテイストも大きく変わります。
ロゴマークが付いていなければ、同じ車種だと当てるコトも難しいと思います。
他の日本のクルマも概ねそんな感じです。
ボクは別に、トラディショナルなデザインが少ないと言っているだけであって、それが良いとか悪いと言う話をしているのではありません。
ただ、事業の経営者や、数多くのビジネス本を読みあさっているような人なら知っていると思いますが、ビジネスにおいて、新規顧客獲得コストはリピーター獲得コストの何倍もかかるのです。
事業の収益性を高めるには、新規顧客以上にリピーターをつなぎ止めるコトが重要なわけです。
せっかくそのクルマを好きになったのに、モデルチェンジによってまったく異なるデザインにしてしまうと、新規顧客を獲得するのと同じ状況が発生するんですよね。
例えば冒頭に書いたミニなんて、もちろんモダン化はしていますが、昔からずーっと同じようなデザインであり、ミニのファンを定着させています。
クルマ好きなら、ミニと言えばあのデザインとわかるわけです。
しかし、モデルチェンジの度にデザインが変わるクルマだと、どれがそのクルマの形なのかが定着しません。
最近の日本のクルマで、モデルチェンジによって、ほとんどデザインを変えなかったのは、ホンダのN-ONEと言うクルマ。
初代と2代目がホントにそっくりです。
まさに日本版のミニと言って良さそうな。
ホンダと言えば、フラッグシップスポーツカーのNSXがありますが、NSXは初代と2代目でデザインが激変しました。
同じ名前のクルマですが同じクルマには見えません。
N-ONEは日本でデザインのアイコン化を目指したと思われますが、定着するかどうか、楽しみに見たいと思います。