人間の要素
世の中には統計学に詳しい人とそうでない人がいます。
前者は物事を正確にとらえるチカラを持ち、後者は偏見にとらわれがちで過ちをよく犯します。
血液型は偏見を生みやすい、つまり、間違いを犯しやすい人間の要素のひとつです。
要素のひとつと書きました。
そうです。
人間を区別する要素はひとつでは無いのです。
例えば、血液型は細かい話を除けば、次の4つです。
- AB型
- O型
- B型
- A型
他にも人間を区別する要素っていろいろあります。無限にあります。
キリが無いので細かい話は抜きにしますね。
例えば、性別なら、
- 女
- 男
都道府県出身別なら、
- 47都道府県
学歴なら、
- 中卒
- 高卒
- 大卒
- 専門学校卒など
携帯電話なら、
- ガラケー派
- スマートフォン派
朝食なら、
- ご飯派
- パン派
メガネなら、
- 日常的にメガネ
- 日常的にコンタクトレンズ
- 日常的に裸眼
他にもありますよね。
まあとにかく、人間の区別の仕方なんて、いくらでもあるんです。
これを忘れている人が圧倒的に多い。
そして、それを忘れているために、自分の過ちに気づいていない人が圧倒的に多い。
例えば、痴漢しやすい人の統計をとったとします。
すると次の結果だったとします。
- AB型……15%
- O型……30%
- B型……50%
- A型……5%
実際に調べたわけではなく、あくまでも話の例なのでB型の人、気にしないで。ボクもB型なので。
人間を血液型という一面だけで区別すると、B型の人に注意しなきゃ、となってしまいますよね。
これが間違い
なぜなら、別の要素で調査したらどうでしょうか。
例えば、メガネに関して痴漢をしやすい人の統計をとったら次のようになったとします。
- 日常的にメガネの人……50%
- 日常的にコンタクトレンズ……20%
- 日常的に裸眼……30%
すると、日常的にメガネの人に注意、ということになってしまいますよね。
さっき、自分はB型では無いので問題ない、となった人も、こちらでは当てはまる人もいるでしょう。
では、また別の調査をしたとします。朝食別による痴漢のしやすさについて。
- 朝食がご飯の人……65%
- 朝食がパンの人……35%
つまり、この調査では朝食がご飯の人が痴漢をしやすい、ということになります。
自分はB型でも無いし、メガネでも無いから安心したけど、朝食はご飯だわ〜、という人もいるでしょう。
つまりね、人間にはいろんな要素があるのに、一面的に見て、偏見を持つと間違うということです。
一面的な調査の危険性
血液型「だけ」を調査して、それ「だけ」を見て、特定の血液型に偏見を持つ人がたくさんいます。
しかし、別の要素で調査をしてみたら、それが自分にも当てはまっていた、そんなことは普通に存在するんです。
B型の人をみて、痴漢しやすいんだ〜、と思っていた朝食ご飯派の人たちは、実は自分にも同じことが当てはまることに気づいてないわけですね。
マスコミ、雑誌、インターネット。
世の中にはこういう調査が数え切れないほどあります。
一面だけを切り取って断定していまうという間違い。
ほとんど人やメディアが、このミスを犯しています。
人間とはひとつの要素でできている単細胞生物ではありません。というか単細胞生物だって要素はいくつもあります。
なのに、血液型とか出身地とか年収とか学歴とか、そのひとつだけを切り取って判断する人が非常に多い。
非常に多いというかほとんどの人がそうじゃないですか?
てことは、世の中とか世論って間違いだらけ。
例えば、世の中の飲食店を点数で比較するサービス。
もちろん点数の上下でおいしさが決まるモノでは無いことはちょっと考えれば当たり前なんですが、それがわからずに点数に振り回される人が多数。
音楽のオリコンのランキングもそうですよね。
オリコンのランキングが上位の曲が良い曲なんでしょうか。
では、これまで1位をとった曲が10曲、仮に同時に出ていたらどうなりますか?
全部が1位にはなれませんよね。
必ずどれかは2位になり、どれかは3位になります。
ボクがこれまで何度も書いてきた相対評価と絶対評価の間違いがここで起こってしまいます。
でも世の中の多くの人はランキングを曲の評価と結びつけてしまうんです。
だからCDに握手券をつけてオリコンランキングが上がったことを非難するわけです。
きちんと物事を理解している人は、握手券をつけてオリコンランキングが上がることを非難すること自体が無意味だと気づいています。
いま書いたように、そもそも曲の良し悪しとランキングは関係無いわけですから。
世の中にまかりとおる偏見は、そもそも間違いにすら気づいていいない人がたくさんいることで起こるのです。
そして偏見は、罪の無い人を理不尽な苦しみにたたき落とします。
だからボクはいつも、きちんとロジカンルシンキングできるようになりましょう、とこのブログで言ってるのです。
あと、今回は書きませんでしたが、因果関係と相関関係を間違っている人もめちゃくちゃ多いので、知らない人は以下の記事で学んでくださいね。