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非天マザー by B-CHAN

iPhoneの使い方、IT、金融、経済、不動産、保険、ビジネス、音楽、映画、ニュース、自己啓発などを語ります。

前輪駆動が現在の多くの乗用車で採用されるメリットとは

自動車

前が重い前輪駆動は曲がりにくい

ボクは理系とか文系とか分けるのが嫌いで、既存の枠組みにとらわれず、どんな知識も潤沢に持っておくのが望ましいと考えていますので、機械工学や物理学とかコンピューターと言った自然科学系の話をすることもありますし、歴史文学や経済学、会計学や政治などの人文科学や社会科学の話をすることもあります。作曲や写真や絵画やグラフィックデザインなどの芸術やスポーツの話もします。


今回は自然科学系のお話です。自動車工学です。
と言っても雑談です。クルマに詳しくない人向けに超簡単に書きます。
国内の自動車マーケットでは多くがコンパクトカーかミニバンに移行していて、かつて隆盛を極めたスポーツカー、ステーションワゴン、4WDクロカン、大型セダンなどがほぼ絶滅状態になっています。
時代は移りゆくということですね。
特にハイクラスのセダンはトヨタの一人勝ちで、他のメーカーの上級セダンはどんどん見かけなくなっています。
と言ってもトヨタのハイクラスのセダンもそんなに売れているわけではありません。
昔は、
トヨタ・・・セルシオ、クラウン、マークII、クレスタ、チェイサー←この3つは同じクルマです。
日産・・・シーマ、セドリック、グロリア←この2つは同じクルマです。
ホンダ・・・レジェンド、インスパイア
マツダ・・・ルーチェ、MS-9
三菱・・・デボネア
と上位5メーカーはフラッグシップセダンを揃えていました。
今でも一部は残っていますが、すでに廃盤になった車種がたくさんあります。
ホンダも、レジェンドを廃止するのではという憶測が流れていましたが、社長が継続を表明しました。


ホンダ、レジェンド の国内販売を継続


ホンダという乗用車メーカーはかなり特殊で、創業以来、ほぼすべての自動車がFFなんですよね。
最上級セダンであるレジェンドもFFです。
実は高級セダンの世界でFFを採用するというのは世界的にも珍しいんですよ。
(すみません、この記事、クルマ好きの人には当たり前の内容になりそうです。)
自動車の駆動レイアウトには大きく分けて、FF、FR、MR、RRなどがあります。
現在、世界中のほとんどのクルマがFFですが、高級セダンの多くはFRです。
FFってどういう意味かわかりますか?
一つ目のFはエンジンの置き場所を表します。FはFront=前、MはMiddle=真ん中、RはRear=後ろ、という意味です。
二つ目のFは駆動輪、つまり前に進めるために回るタイヤの位置を表します。
FFの場合、クルマの前部(要するにボンネットの中)にエンジンがあって、前のタイヤが回るということです。
FRなら、前にエンジンがあって、後ろのタイヤが回ります。
MRなら、真ん中にエンジンがあって、後ろのタイヤが回ります。
真ん中にエンジンがあるので2人乗りで後部座席はありません。運転席と助手席のすぐ後ろにエンジンがあります。
RRは後ろにエンジンがあって、後ろのタイヤが回ります。後ろのタイヤの真上にエンジンがあります。ポルシェが有名です。
ほとんどのクルマは、前にエンジンがありますから、FFかFRのどちらかです。
つまり、前にエンジンがあって前のタイヤが回るか後ろのタイヤが回るかのどちらかです。
では、どちらがいいのでしょうか?
実は両者にはメリットとデメリットがあり、クルマの性質によって向き不向きがあります。
例によって、イラストを描いてみました。
まずFFから。
FFの自動車の断面

上のイラストの左半分を見てください。
クルマの前部にエンジンがあります。そしてエンジンが前輪とつながっています。
それによって前輪は回転します。これを「駆動」と言います。
前輪が駆動するので、そのまま「前輪駆動」と言います。駆動するタイヤのことを「駆動輪」と言います。
後輪は単にクルマにくっついているだけなので、クルマの移動に合わせて回るだけです。
要するにFFというのはクルマを前から引っ張っている状態で走るわけです。
あと、前輪は当然、ハンドル操作でクルマを左右に曲げるのにも使われます。これを「操舵」と言い、操舵するタイヤのことを「操舵輪」と言います。
ということはFF車は、前輪が駆動輪でもあり、操舵輪でもあるわけです。進むのにも曲がるのにも前輪が大活躍なわけです。
このFF車のメリットって何でしょうか?
今、世界中のほとんどの乗用車はFFだと書きました。それはFFに多くのメリットがあるからです。
まず、上のイラストを見てもらえばわかるようにFFではエンジンは基本的に横置きです。横置きなのでボンネットを短くすることができ、その分、自動車の室内の前後の長さを長く取ることができます。つまり車内が広くなります。
これがFFが普及した最大の理由と言っていいでしょう。
では、なぜFFはエンジンが横置きなのか?
次のイラストを見てください。
FF車のボンネット

エンジンを横置きにすることで、エンジンの回転方向とタイヤの回転方向が同じになるので、エンジンに直接タイヤを接続できます。
実際にはもっと複雑な接続をしますが、ここでは話を簡単にするためにそう言っておきます。
エンジンとタイヤをつなぐのに複雑な機構が不要なので、非常に低コストで作ることができますし、部品が少ないと言うことは故障が少ないクルマが作れるということにもなります。
こういった特徴から、FF車というのは比較的コンパクトで低価格なクルマが多い、ということになります。
では、FFのデメリットはどうでしょうか?
1枚目のイラストの左の部分に戻ってください。
エンジンが横置きと言うことは、エンジンとタイヤの隙間が小さくなります。タイヤには地面からの衝撃を和らげるための機構(これをサスペンションと言います)が付きますが、隙間が小さいので、サスペンションもあまり高度なものは付けられません。
また、先ほど、FFでは前輪が駆動輪と操舵輪を兼ねていると書きました。操舵輪である以上、ハンドルとタイヤはつながっています。一方で、そのタイヤはエンジンともつながっていると書きました。
そのため、エンジンの不快な振動がハンドルにも伝わりやすくなります。また高速に駆動しているタイヤを操舵するため、比較的、操作感覚が不自然になります。
あと、1枚目のイラストの右側を見てください。
カーブの際、駆動輪には遠心力がかかります。右へ曲がろうとするときに前輪に遠心力がかかって左に飛び出そうとするので、結果として、曲がりにくくなります。これを、アンダーステアと言います。
遠心力のしくみは次のイラストを見てください。
アンダーステア

学校の授業で習ったかも知れませんが、ベクトル(矢印)で描いてみました。
FFの場合、クルマの前部にあるボンネットに駆動装置も操舵装置も全部入っていますから、必然的に前の方が重くなります。
ですので、クルマの前方にある前輪に大きな遠心力がかかり、それによって曲がりにくくなるわけです。
以上、FF車についていろいろ見てみました。
もちろん例外もありますが、FFは構造が簡単でコストが安く室内が広く取れる、一方でハンドル操作に高級感がなく曲がりにくい、と言った特徴があります。
おおざっぱに言うと、FF車は比較的安くてコンパクトなクルマに向いているということです。
世界中の多くのクルマがFFになったのは、クルマが安くてコンパクトになったのと大いに関係があるわけです。


では、今回はここまで。FR編は次回に続きます。