労働基準法違反の公表
厚生労働省が、労働基準法違反の企業334件を公表しましたね。
大きな話題になっています。
電通、大京穴吹建設、ヤマト運輸、日本郵便、パナソニック、三菱電機など、有名企業も名を連ねていますね。
こう言う作業はとても大切で、とても良いことだと思います。
これらの企業で働くと言うことは、労働基準法違反の環境に身を置くことであり、それは、就職してみるまでわからなかったんですね、今までは。
だから、こうやって公表されることで、
電通やパナソニックや三菱電機は悪質な業務命令を行った企業なんだな、だから避けよう。
と言う選択ができるようになります。
労働者にとっては大きな改善です。
数が少ない
この発表を見て誰もが思うのが、数が少ないと言うことでしょう。
世の中にはもっともっとたくさんのブラック企業があります。
ボクの勤務先もそうです。法令違反をしています。
公表された334社は、あくまでも全体の中での一部なんですよね。
公表できる数が少ないのには理由があって、それは、労働基準監督署の人員が少なすぎるからなんですね。
10万社のブラック企業が存在しても調査官の人数が1000人しかいなければ、ひとりで100社を調査しなければ公表に追い込めません。
ブラック企業の経営者には悪質な人もいて(だからブラックなんですが)、事実を隠匿しようとするんですよね。
そりゃそうですよね。自ら、自分の会社はブラックです、なんて経営者はいませんから。
労働者の申告が大切
さっき書いたように、企業名を公表すれば、これから就職する人にとってメリットになりますが、すでにその会社で働いている人には一概にメリットになるとも言いにくいんですよね。
例えば、強烈な労働時間を課すことによって何とか営業成績をあげ、事業が成立しているような会社。
そんな会社が妥当な労働時間に減らすために、人を追加で雇えば、当然ながら人件費が増えて業績が落ちます。
人を雇わずに、一人当りの労働時間が減れば営業の数字が落ち、やはり業績が落ちます。
業績が落ちれば、給与も減るんですね。
無い袖は振れませんから。
だから、内部の人間が労働基準法違反を告発する動機がなかなか働かないと言う話になります。
ボクなんかは10回も転職していて、大企業やらベンチャーやら外資系やら今のブラック企業やら様々な環境を見てきているので、どうしても違いに気付いてしまうんですよね。
でも、いまの会社にずっと勤めていて転職経験の無い人は、いまの会社の環境が当たり前だと思い込んでいたりします。
つまり、労働基準法違反に気付かないんですね。
これもネック。
同じ環境にいるのに違和感を感じない人。
一方で、その職場にやって来てすぐにおかしさを感じたボクのような人間。
例えば、うちの会社では、近日、研修旅行がありますが、泊まりがけです。
つまり一泊二日なんですね。
しかし2日目は強制的に休日扱いにされます。
しかも2日目もイベントを開催するために強制的に感じが割り当てられ、その準備のために、事前の数週間は時間外労働、そして、もちろん当日もそのための労働が発生します。
休日なのに強制労働。
これが過去何十年も続いています。
ね、違法でしょ?
研修旅行の地までは、各自がクルマを運転して参加です。
2日目は強制的に休暇なのに強制労働して、しかもその地から地元まで運転して帰るわけです。
事故が起こったらどうするんでしょう?
まあ、違法な経営者なので、むしろ事故が起こって処罰された方が良いとすら思うんですけどね、ボクは。
以前、その事をレポートに書いて会社に提出したら、
会社批判をする社員
とレッテルを貼られましたよ。違法企業の違法な部分を非難したら、非難する側が悪い、と。まさにブラック企業です。
世の中のブラック企業で働くみなさん。
遠慮せずに、どんどん非難しましょうね、違法な点は。悪いのは違法行為をしている側なんですから。