面接
ボクはまるで趣味のように転職を繰り返しているので、面接を受ける回数も多いです。
一方で、職場において、面接を受けに来る人を見るコトも何度もありました。
採用される側と採用する側の両方の経験を何度も繰り返しているわけです。
どちらの立場のときにも強く思うのは、アドリブに強い人は採用される、と言うコトなんですよね。
面接本
書店には面接対策の本がたくさん売られています。
ボクは、自分が面接を受ける際に、その手の面接本を一度も使ったコトはありません。
どう言う内容が書かれているのか、興味本位で立ち読みした程度です。
とある企業の面接を受けに行ったときの話。
それはグループ面接で、面接官による会社の紹介や理念などの説明を受けた後、一人ずつ、自己アピールする形式でした。
順番を待つボクの前の人が、自己アピールが実にすばらしかったんですよ。
何がすばらしいって、完璧なくらい、面接本のフォーマット。
私は、学生時代は●●部の部長で、仲間とのつながりを大切にし、御社の理念に共感し、全力で働きたい。
みたいな内容を、5分くらいかけて、理想的なお手本のような文章で語るのです。
次がボクの番なので、ボクは、長いな〜、と思いながら聞いていました。
ほぼ完璧な彼の順番がようやく終わり、次はボクの番。
ボクは、学生時代から、ずっと、面接はアドリブと決めています。
業界と企業の情報くらいは予習しますが、それ以上やると、ボクの言葉では無くなるので、完全アドリブ方式。
そのときに話した内容も、その直前に行われた企業紹介の話に対する批評にしました。
直前の企業紹介を聞いた感想を話したので、面接官には、完全にアドリブだと言うコトが伝わったはずです。
つまり、ボクの前の人とは真逆のやり方でした。
結局、その面接には、ボクの前の人は不合格で、ボクは合格でした。
実は、その結果はボクも容易に予想できたんですよね。
だって、ボクの前の人は、完全にマニュアル通りですから。
そりゃ、そう言う人は仕事になるとキツいですよ。
仕事では日々、課題が発生するので、それに対して臨機応変に対応する必要があります。
マニュアルを暗記して面接に臨むタイプの人には難しいです。
ボクは、自分の自己アピールの直前に行われた企業紹介を見て、その場で感想を述べたので、そのアドリブ感が評価されました。
実践向き。
これはボクが優れているかどうかの話ではありません。
ボク自身が面接官をやったコトもあると書きましたが、魅力ある人物は、アドリブが効くんですよ。
そのときの状況に応じて都度、適度な対応をする。
毎回、異なる対応をするコトが可能なんです。
マニュアルを完璧にマスターするコトが悪いのでは無く、マニュアルを完璧にマスターして面接に臨もうと言う思考力に問題があったんですね。
もちろん、仕事の中で、マニュアルに従って作業を進める必要はあります。
しかし、面接においては、マニュアル通りの答えは誰も求めていません。
マニュアルが必要な場面ではマニュアルを使った方が良いのですが、少なくとも面接と言うのは、マニュアルが必要な場面ではありません。
もし、面接でマニュアルが必要なら、同じマニュアルをマスターした人は全員合格になっていまいます。
マニュアル人間と言う言葉があります。
そして、それを非難する風潮もあります。
大切なのは、マニュアルが必要な場面では、きちんとマニュアルに従って処理する能力。
そして、マニュアルが必要では無い場面では、臨機応変に対応を使い分ける能力。
その両方です。
要はアドリブですね。
面接で必要なのはアドリブです。
記憶力では無く思考力です。
マニュアルに載っているコトは、覚えさえしたら、誰でも話すコトはできます。
誰でもできるコトよりも、自分にしかできないコト。
その思考力を鍛えるコトが、身を助ける可能性を高めます。
そのためのトレーニング方法として、ボクがオススメするのが、テレビの視聴をやめて、本を読むコトです。
世の中の多くの人は本をあまり読まずにテレビを見ます。
つまり、世の中の多くの人と同じで良ければテレビを見れば良いですし、それら大勢の人たちと差別化したければ本を読めばいいのです。
テレビは勝手に流れて来るので、視聴者は受動的になります。
本は自ら読む必要があるので、読者は能動的です。
長年、それを積み重ねれば、どちらの思考力が発達するかは言うまでもありません。