非天マザー by B-CHAN

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合理的に動かない人々

子供の騒ぎ声

 

 

アパートの隣の部屋の子供の騒ぎ声に腹を立てて、その子供の父親を隣人が包丁で刺して父親が死亡する事件が起きました。

 

ニュースのコメント欄を見ていると、

 

  • イライラする気持ちはわかる
  • でも刺すのは良くない

 

などの意見が見られます。

 

本来、人は合理的に動く生き物です。

例えば、どこか目的地へ向かうときは、そこまでの最短ルート、もしくは最安ルートを選びます。

理由もなく遠回りをする人は非合理です。

 

買い物でも言えますね。

近所にスーパーが2軒あって、同じ食材を買うなら、価格が安い方のスーパーを選ぶでしょう。

合理的な行動です。

 

では、子供の騒ぎ声にイライラして親を刺すのは合理的でしょうか。

 

 

誰も幸せになれない

 

 

犯人は、子供の騒ぎ声にイライラして事件を起こした。

そこから考えられる、犯人の本来の要望は、子供の騒ぎ声が無い快適な暮らし、のはずです。

 

ところが、犯人は、子供の父親を包丁で刺して命を奪ってしまいました。

 

当然ながら、実刑で、数年間は刑務所に入るコトになるでしょう。

では、犯人は数年間の刑務所暮らしを望んでいたんでしょうか?

もちろん違います。

なぜなら、子供が騒がなければ、刑務所に行く結果になるコトも無かったからです。

つまり、犯人の立場にしてみれば、自発的要因では無く、外的要因で刑務所行きが決まったわけですね。

だから、刑務所暮らしは犯人の本来の要望では無いと言えるわけです。

刑務所行きは、あくまでも、事件の結果に過ぎません。

 

ここで、合理的行動について考えてみます。

 

子供の騒ぎ声がうるさい。

だから、父親を包丁で刺す。

 

これが今回の行動パターンです。

では、その結果、犯人は子供の騒ぎ声が無い快適な暮らし、を手に入れるでしょうか。

確かに刑務所では子供の騒ぎ声はありませんが、快適な暮らしとは言えません。

刑罰ですから。

 

2軒のスーパーを選ぶ人で例えてみましょう。

同じ食品なら価格が安い方のスーパーを選ぶ。

でも、もし、安い方のスーパーの食品に明らかにカビが生えていたら。

それでも安いからと言ってそれを選んで食べてしまい、命を落とすとしたら。

もちろん一義的にはスーパーの責任ですが、いくらスーパーが補償したところで失われた命は戻りません。

ある目的(ここでは価格がより安い)を達成するために、別に不合理に目をつむってしまう。

その結果、目的(価格がより安い食品を手に入れる)は達成できたものの、もっと大きな代償(命を落とす)を手に入れてしまう。

メリットを手に入れるために、もっと大きなデメリットを手に入れると言うコトですね。

 

子供の父親を刺した犯人も、そう言う意味では不合理です。

子供の騒ぎ声が無い快適な暮らしを手に入れるために行動を起こした結果、子供の騒ぎ声が無い不快な暮らしが待っているわけですから。

 

結果的に、犯人の目的は達成できていないどころか、犯人自身もさらに不快な暮らしをするコトになったわけです。

 

なぜ、目的も達成できず、さらに不快な刑罰を受けるコトになるにも関わらず、犯人は犯行を起こしたのでしょうか。

 

それは、短絡的だからです。

 

以前から言っていますが、思考の無い短絡的な行いは、結果的に、本人に不利益を生みます。

 

少なくとも、子供がうるさいから親を刺すと言う事件でメリットぉ得る人は犯人を含めて一人もいません。

 

短絡的な行動は、自分も含めて人を不幸にします。

 

メリットが無い、もしくは、メリットよりもデメリットが大きすぎるのです。

 

日本って意外と殺人事件が多いんですよね。

平和な国ですが、数え切れないほどの殺人事件があるのです。

そして、殺人事件はほとんど逮捕されます。

 

なので、命を奪うコトで何かメリットを得ようと思う人は、必ず、その先のデメリットも考えてください。

例えば、誰かから借金していて、返せないので、その相手を殺そうと思っている人。

確かに、殺してしまえば、もう借金を返済しなくて良くなるかも知れませんが、それと引き換えに、長い刑務所生活が待っています。あるいは死刑です。

得られるメリットよりもデメリットの方が大きいのです。

 

ボクもこうやって書きながら、デメリットよりも得られるメリットが大きな人殺しって存在するのかな、と考えてみたんですが、思い付きません。

やはり、人の命を奪うのは、トータルでメリットが無い、不合理なのです。

 

もし今、そんな状態にあるのなら、ぜひ思いとどまって、他の解決方法を考えてみましょう。

それが、あなたのためです。