時間価値
知識は人によって違っていて、しかもこの世の全てを知っている人なんていないので、ブログは知っている人から知らない人へ情報を拡散するツールとして、ボクはとても面白いと思うんです。
例えば、ボクは多趣味ですが、例えばそのひとつがファイナンス。
でもファイナンスなんて世の中のほとんどの人にとっては遠い世界なんですよね。
日常会話でそれを痛感させられます。
今回は2つの事例を書いてみます。
ひとつ目。
先日、こんな会話がありました。
ボク「1年前に貸した1万円が昨日返ってきた。損した。」
Aさん「なんで?ちゃんと返ってきたんだから損してないじゃん。」
この会話を見た瞬間、ボクのことを正しいと思う人はファイナンスのリテラシーがあり、Aさんを正しいと思う人はファイナンスのリテラシーが無いわけです。
どちらが良い悪いの話ではなく、知識の有無というのは、それによって、全く逆の判断をもたらしてしまうということを言いたいんです。
この1万円の話は概念として、以前、記事に書きました。
株主の財産
その後、ふたつ目として、こういう会話がありました。
Bさん「好調な会社だから株の配当も大きいな。」
ボク「好調な会社は配当しちゃダメじゃん。」
実は、これもファイナンスをきちんと理解している人なら一発でわかる話なんです。
が、知らない人に説明するには、本を一冊書けてしまいます。
なので、とりあえずこれらの記事を読んでみてください。
会社の財産は株主に帰属します。
わかりやすく言うと会社のモノは株主のモノ。会社のおカネは株主のおカネ。
もっと言えば、会社は株主が所有しているのです。
株主って何のために株を買うんでしょう?
それは利益を得たいからです。
株で利益を得る方法は2つ。
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
企業はまず、どこかから資金を調達します。
例えばパン製造会社なら調達した資金でパン工場を建て、パンを作って売り、利益をあげます。
利益をあげたら、その会社の株価は上がりますし、場合によっては利益を配当します。
株主はそれが欲しいからその会社に投資、つまり株を持つんですね。
しかし配当というのは会社の外部におカネが出て行ってしまうことです。
もし企業が配当せずに、そのおカネを次の工場を建てるための資金にしたらどうでしょう。
工場が増え、さらにパンが増産され、利益はもっと増えます。
その利益も配当せず、また次の工場を建て、パンを増産し、さらに利益は増えます。
そうやって株価は上がっていきます。
ここまで書いたらわかりますか?
配当というのは、将来の利益の増加のための投資をすることをよりも、外部へおカネを出してしまうことを意味するんです。
もし、まだまだ成長する会社ならそんなもったいないことはしません。
配当というのは、もう成長余力がなくて成熟してしまった会社がやることなんですよね。
会社の内部にあっても外部に出しても、それは単に場所が変わっただけで、どちらも株主の財産です。
会社に残れば次の投資つまり成長の原資として使え、株主の手元に出してしまえばそれっきり。
だから配当があるから好調な会社、とは言えないわけです。
むしろ、これ以上成長しないから、仕方なく配当したというネガティブなイメージすら抱かせます。
本当に事業が拡大してさらなる利益を稼ぐ会社はインカムゲインつまり配当ではなく、きちんとキャピタルゲインつまり株価の上昇によって株主に還元するわけです。
いかがでしょうか。
こうやってブログは自分の知識の発信源となり、それを読んだ人の知識の蓄積になります。
ボクもまた他の多くのブログを読んで、納得したり、論理的な矛盾を指摘したり、感動したり、批判したりしています。
ブログって書くのも読むのもやめられませんね!