国土面積は変わらない
何度も書いて来ましたが、ボクは不動産業界の人間です。
でも、持ち家では無く賃貸です。
一生、賃貸住宅に住むつもりです。
賃貸か持ち家かの論争は、好みの問題があるので、正解はありません。
不動産の価格を問題にする人も多いんですが、例えば、賃貸なら好きな場所に移り住みやすいと言うメリットがあり、持ち家なら自分の好みに改造しやすいと言うメリットがあります。
持ち家なら転売しない限り、面積は一定ですが、賃貸なら子供がいる期間は広めの物件に、そうでは無い期間は狭い物件に移って家賃を調整できるメリットがあります。
持ち家は、特に戸建の場合はある程度の金額で転売できるかもしれません。
そんなふうに、どっちも一長一短なので、どちらが正しいと言うコトでは無く、好みで決めれば良いのです。
ボクが賃貸を選ぶ理由は、人口減少にあります。
人口減少時代でも、日本の国土面積はほとんど変わりません。
人口が3割減っても、国土面積が3割減るわけでは無いのです。
これがポイント。
空き家
日本の税制では、住宅地は優遇されています。
住宅地の固定資産税は安いのです。
だから、土地を持っている人は、単に土地で所有するよりも、上に建物を建てて自分が住んだり人に貸す方が有利なのです。
空き地と言うのは土地の無駄遣いなんですね。
自分が住むための建物は収益を生み出しませんが、人に貸せば収益を生みます。
だから、自分が住む以外の土地を持っている人は、建物を建てて人に貸すんですね。
しかし、人口減少時代。
借りる人の数はだんだん減っていきます。
すると、空き家が増えますね。
空き家を放置すると、ボロボロになります。
崩れて他人にケガをさせると責任を負うコトになります。
だから、空き家であっても、所有者にはコストがかかります。
では、建物を取り壊してしまえば良いのか。
取り壊しに数百万円かかります。
そして、建物を取り壊せば、住宅地では無くなるので、固定資産税の優遇は無くなります。
だから、取り壊すに取り壊せないのです。
その結果、空き家は増える一方です。
これは、賃貸住宅を借りる人にとっては有利なんですよね。
家賃が下がりますから。
今後、空き家対策の法制度が整備されていきます。
空き家を放置したら、例え住宅地でも固定資産税を優遇しない、なんて方向になります。
そうなると、土地所有者は何が何でも、空き家として放置するわけにはいきません。
例え安い家賃でも、誰かに貸す方が良いわけです。
そうやって、人口減少時代には、家賃が下がっていきます。
国土面積は減らないのに人口が減るからこその減少ですね。
借り手が有利なマーケットが形成されていきます。
貸し手が強かった時代は、高齢者の入居はお断り、なんて風潮がありましたが、これから大半が高齢者となる時代において、高齢者を断っていては、もはや借り手がいなくなります。
建物所有者はそうも言ってられないんですね。
マイホームが欲しい!と言う見栄や昭和時代の価値観を引きずる人は、がんばって長期ローンを組んで買えば良いと思いますが、すでに書いたように、人口減少時代において、もはや金銭的な価値は無いので、ホントに好みで使うしかありません。
ボクは、人生で何度も引っ越しし、状況に応じて広さや家賃も変えてきました。
住みたい街に住みました。
数年ごとに引っ越すので、そのたびに、設備も新しくなります。
もし、持ち家を買ってしまえば、30年経てばものすごく古い物件ですよね。
賃貸なら、引っ越すたびにリフレッシュ。
ボクは、そう言う点で、賃貸が自分の好みに合致しています。
だから、持ち家を買いません。
みんながマイホームを持っているかどうかをまったく気にしない生き方。
まさに、アドラーですよ。