ヴィッツ
トヨタと言う自動車メーカーは日本では圧倒的な販売台数シェアを誇ります。
昔、自動車の御三家と言えば、いすゞ、トヨタ、日産。
ボクも、いすゞのピアッツァと言うクルマに乗っていましたよ。
しかし、今、いすゞはとっくに乗用車からは撤退済み。日産もボロボロです。
自動車販売台数ランキングで日産のクルマが1位になったのは、2016年のノート。
なんと、日産車として30年ぶり。それくらい日産のクルマは1位とは無縁でした。
1位のクルマと言えば、長い間、トヨタのカローラ、それを倒したホンダのフィット、そしてトヨタのプリウスが常連です。
とにかく国内販売はトヨタが強いのです。
マーケティング
良いクルマが売れるとは限りません。
トヨタ車は良いクルマが多いと思いますが、良いクルマの定義にもよりますよね。
例えばボクはハンドリング(回頭性)の良いクルマが好きで、必然的に、後輪駆動車に好みが向きます。
冒頭に書いたピアッツァもFRでした。ただしフルモデルチェンジ後はFFになったので興味は消えました。
エンジンの馬力が強いクルマ、トルクが強いクルマ、ブレーキが強力なクルマ、接地性(トラクション)が高いクルマ、シートの座り心地が良いクルマ、荷物をたくさん積めるクルマなど、人それぞれ、好みの領域が違うはずです。
ボクはホンダの初代CR-Vにも乗っていましたが、正直、4WDシステムはイマイチでしたが、当時のボクにはそこよりも、フルフラットシートが魅力でした。
フルフラットシートのSUVって他に無かったんですよね。
実際、フル活用で、クルマがボロボロになるまで、10年ほど、使い倒しました。
そう言う意味で実に良いクルマでした。
トヨタのクルマも、必ずしも技術的にトップとは限らないんです。
昔の日産はトヨタよりも優れた技術を自社のアピールポイントにしていましたし。
でも、モノを売るのって、スペックじゃ無いんです。
AppleのiPhoneが、スペックではトップでは無いのに高価格で売れまくる(だからAppleはスマホ業界の利益の大半を独占する)のは、スペック以外の遡及が強いからです。
トヨタも、そう言う点で、マーケティングが強烈に上手い会社です。
トヨタは、長らく親しまれたヴィッツと言うクルマを、今後はヤリスと言う名前で国内販売します。
従来から世界で売られていたんですが、日本ではヴィッツ、海外ではヤリス、と名前を使い分けていました。
昔、このブログに書いたんですが、名前って重要なんですよ、売るためには。
例えば、ネピア モイスチャーティシュと言う商品を、鼻セレブ、に変えたら大ヒットしました。
スペックは同じなのに、名前で売れ行きが変わったわけです。
ボクのように、中身で判断するタイプの人間には意味が無いコトなんですが、世の中の多くの人は、中身よりも外面で判断するので、そうやって名前だけで影響されるわけです。
以前、ボクが書いたのは、昔のサンヨー電器と言う家電メーカーのテレビの名前。
カプージョですよ、カプージョ。
もちろん、何かステキな意味があるんでしょう。
でも、日本人が聞いた語感が変じゃないですか?
カプージョ。
パナソニックはビエラ、ソニーはブラビア、シャープはアクオス。
なのにサンヨーはカプージョ。
何となく、その名前のせいで買う気がそがれます。
まあ実際、売れなかったんですけどね。
で、サンヨーと言う会社は消滅。
ボクが個人的に思ったのは、日産のムラーノと言うクルマ。
ムラーノって。
ちゃんと意味があるんでしょうけど、日本人が聞いたら、村野ですよね。
トヨタがヤリスを、日本ではヴィッツで売った理由。
それは、ヤリスだと何となく「ひわい」な感じがするからです。
で、ヴィッツは大ヒット。
せっかくの良いクルマでもマーケティングでミスをして売れなければもったいないですよね。
クルマの良さで言えば、各社、良いクルマを出していますし、そもそも、さっき書いたように、良さの感じ方は人それぞれ。
それでもトヨタが圧倒的に売れるのは、製品自体のスペックだけでは無く、マーケティング。
そんなトヨタがヴィッツをやめてヤリスに統一。
驚きました。
これは、トヨタのマーケティング部門の質の変化なのか。
それともコスト問題なのか。確かに、世界で統一名称で売る方がコストは圧縮できます。
日本の小さなマーケットのためだけに異なる名称で販売するメリットは無くなった、と。
言い方を変えれば、日本市場の重要性が相対的に落ちた、と。
ボクは、この新しいヤリスが日本でどれだけ売れるのか、密かに注目しています。
ブロガーの人は知っていると思いますが、ブログの記事タイトルって重要なんですよね。
同じ内容の記事でもタイトルによってアクセス数は大きく変わります。
1時間かけて書く場合、本文執筆に30分、タイトル考案に30分、とも言われるくらい。
ブログのアクセス数が1日に2桁くらいで伸び悩んでいる人は、そう言うプチマーケティングを意識してみてください。