評論家の資質
尾木ママという人のニュースが最近よく上がってくるんですけど、あまりにも頭の悪い発言が多いので気になっていました。
で、調べると、この人って教育評論家なんですね。
信じられないです。
こういう発言を連発する人が評論家なら、絶望的です。
「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さん(69)がテレビ番組上で語った「京都人への不満」がインターネット上で話題になっている。
尾木さんは現地で講演した際の体験談をもとに「(京都の人は)親切でない」と訴えた。
ボクは別に人格攻撃をするつもりはありません。どんな人にも長所と短所があるからです。
なので、今回の話はあくまでも尾木ママという人の短所の話です。
教育評論家であるなら少なくともロジカルシンキングはできてほしいんですが、この人の発言は単なる感情論で、だから矛盾をはらんでいます。
もちろん京都の良し悪しを語るつもりもありません。
あくまでもロジカルな話です。
当たり前の話ですが、京都へ行ってすべての京都の人に会ったわけでは無いですよね。
接触したのはほんの数人もしくはせいぜい数十人でしょう。
京都府の人口は約260万人。
仮に100人に会ったとしても、京都全体の0.0038%に触れたにすぎません。
みなさん、何かを判断するときに、その0.0038%を見ただけで、その全体を判断できますか?
この時点でおかしいですよね。
大数の法則
でも、こういうと、大数の法則を持ち出す人がいます。
大数の法則とは、一部から全体を推測できるという法則です。
例えばテレビの視聴率はすべての家庭のすべてのテレビに計測装置が取り付けられているわけではありません。ほんの一部の世帯にあるだけです。
しかしほんの一部の世帯を計測すれば、それは世の中のほとんどの世帯に当てはまります。
1000世帯の視聴率が5%なら実際の5000万世帯の視聴率も5%なのです。
これが大数の法則。
つまり、ほんの少数の京都人の性質は京都全体の人の性質に当てはある!
と言いたいんでしょう。
間違いです。
なぜなら、都道府県の境界線はあくまでも人為的なモノだからです。
人為的な線引きで人間の性質など変わりません。
例えば今日から京都府と大阪府を合併させたら、今までの大阪の人たちは京都っぽくなるんでしょうか?もちろんなりません。
もっと極端に言えば、どんどん京都府と合併して行って、日本中のすべての都道府県を京都府にすれば、日本人全員が京都っぽく不親切になるんですか?
もちろんならないです。
人間の性質は都道府県の線引きで決まっているわけじゃ無いんですよ。
その論理で行くなら、線引きなんて、その人のさじ加減次第じゃ無いですか。
例えば外国の人が京都へ旅行に来て、不親切にされたとします。
そのとき、
「京都ノ人ッテ不親切デスネー。」
と言うとは限りません。
「日本人ッテ不親切デスネー。」
と言う可能性もありますよね。そうです。たまたま京都という境界線で区切ったのが尾木ママであり、たまたま日本という境界線で区切ったのがこの外国人です。
どちらも同じことを指してるのに、さじ加減で評価は変わってしまうんですよ。
さじ加減と捏造
たまたま京都で体験したにすぎないことを、さじ加減で調整できるのなら、いくらでも捏造できてしまうんですよ。
例えばもし尾木ママが経験したのが京都氏の左京区でのできごとなら、
「京都の左京区の人って不親切。」
という言い方もできてしまうでしょ?
その場合は京都の他の地域の人にはあてはまらないはずです。
しかし尾木ママは勝手に京都というくくりで区切ったために、勝手に京都人全体を対象としてしまっているのです。
というわけで、尾木ママの発言は完全に間違いです。
こんな簡単なことを考えられない人が教育評論家をやっているので信憑性がとんでもなく低くなっているんですよね。
ああ嘆かわしい。