動画配信
富士登山しながらニコニコ生放送で配信していた人が滑落しました。
これを書いている時点で、遺体が本人かどうかはわかりませんが、ボクは、あるコトに思いが至りました。
事故の悲惨さ
報道機関によるニュースでは、交通事故で死者3名、などと伝えられます。
日本では、交通事故で年間4千人程度、つまり、毎日10人ほどが亡くなっています。
日常茶飯事です。
明日も交通事故で10人亡くなるのです。
でも、そうやって数字で10人と聞いてもピンと来ません。
実際、自分が交通事故の被害に遭って死に至る状況を想像してみてください。
例えば、金属バットを誰かに振ってもらって自分の足を殴ってもらうシーンを想像してみてください。
足は激しい音とともに折れ、あなたは激痛でのたうちまわります。
ね、痛そうでしょ。
でもそれでは死にません。
交通事故は、それよりも激しい激痛で死に至るわけです。
死ぬまでの間は金属バットで殴られるよりも激しい痛みに苦しむわけです。
命を奪うほどの激痛です。
でも、当事者はそうやって激痛の苦しみの中で死んでいっても、それをニュースで聞いた人は、
交通事故で死者3名
の中の一人、程度にしか感じません。
人間は経験の生き物なので、自分が経験して初めて、こんなに悲惨なコトなんだと知るコトになるんです。
交通事故で亡くなる人の悲惨な状況は、体験すると一生のトラウマになります。
動画のメリット
SNSでみんなに見せたい写真を撮るために、危険な自撮りをする人が後を絶ちません。
そして、確実に年間、何人もが命を落としています。
写真の場合は、それは何も伝わりません。
でも動画は、時間の長さがあるため、その瞬間を捉える可能性があります。
ボクは、事故を防ぐには、事故の現場や事故で亡くなった人体がいかに悲惨な状態かを知るコトが重要だと思っています。
ここまで悲惨なのなら、事故に遭わないように気を付けようと思うはずなんですよ。
高速道路でシートベルトもせずに事故に遭って窓ガラスを突き破って道路に叩きつけられる事故って多いんですよ。
もちろん叩きつけられるまでは生きていて、時速100km/近くで地面に叩きつけられて、顔や全身の皮膚がズルズルとむけて、意識を失うまではその激痛に耐えなければなりません。
現場にいる人間はその恐ろしさを体験するわけです。
だからこそ、その悲惨な映像を一般の人が目にすれば、事故に対する心得も変わると思うんですよね。
ニコニコ生放送などの動画配信でも、大食いに挑戦して配信中に喉を詰まらせて亡くなる人がいました。
それを見た人たちは、大食いなんてやめておこうとなるはずです。
ホントは、そんな映像が無くても、すべての人が危険なコトをしなければ済む話なんですが、残念ながら、一定数の人が危険なコトをして、本人の意に反して命を落とします。
自分だけは大丈夫と思ってしまうんですよね。
何の根拠も無いのに。
みんな、自分だけは大丈夫と思って死んでいくんです。
だから、動画配信は重要で、悲惨な事故の瞬間が多くの目に触れれば、ニュースの文字情報よりもはるかに効果的なんです。
今後、動画配信する人は、さらに増えるでしょう。
それはつまり、配信中に亡くなる人が増えるコトを意味します。
そのコトが事故死の恐ろしい現場を多くの人の目に焼き付けるコトになります。
ボクは、そこに意義を感じているんですよ。
もちろん無いに超したコトは無いんですが。