非天マザー by B-CHAN

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規模の経済が効くか効かないかは固定費に左右される

規模の経済 

 

みなさん、こんにちは!

B-CHANです。

 

今日も勉強しましょう!

 

と言っても、今日はちょっと、つぶやきに近いです。

ある本を読んでいて、規模の経済の話になったんですよ。

これはよくある話。

規模が大きいほど価格が安くなるという話です。

数が少ないと高いけど、大量生産すれば安くなる。

よく聞きますよね。

ボクも以前、こういう記事を書きました。

 


東京電力1社独占では無く競争があった方が電力料金が安くなるというのは本当か - 非天マザー by B-CHAN

 

 

 

ところがその本の中で、ちょっと待て、と指摘がありました。

固定費と変動費の問題が出てきたんですよ。

会計を学んだ人にはわかりますが、費用は固定費と変動費に分けることができます。

 

固定費の大きなケース

 

例えばあなたが不動産の店舗物件を借りて、そこでパンを販売するとします。

店舗の家賃は月に1,000円。パンが売れても売れなくても、あなたは毎月、1,000円の家賃を払う必要があります。

これは固定なので固定費と呼びます。

パンの材料は小麦粉。話を簡単にするために材料はこれだけにしますね。

さらに話を簡単にするために人件費や光熱費も無視します。

材料である小麦の価格はパン1個あたり70円。

パンの数が2倍になれば材料費も2倍になりますね。パンの数に応じて増えていく費用なので、これを変動費と呼びます。

  • 家賃…固定費
  • 材料…変動費

これでパンを作り、1個100円で売ります。

つまり、パンを1個売るたびに30円の利益が生まれます。

パンが33個売れれば990円の利益。

パンが34個売れれば1020円の利益。

1ヶ月に1000円の家賃を払う必要があるので、パンが33個しか売れなければ10円の赤字で34個売れればやっと20円の黒字です。

パンが100個売れれば利益は2,000円です。これだとパン1個あたりの利益は20円ですね。

パンが200個売れれば利益は5,000円です。これだとパン1個あたりの利益は25円ですね。

パンが500個売れれば利益は14,000円です。これだとパン1個あたりの利益は28円ですね。

パンがたくさん売れれば売れるほどパン1個あたりの利益が拡大するので、まさに規模の経済。

 

固定費の無い(少ない)ケース

 

では次のケースはどうでしょう。

店舗の不動産を借りるのではなく、自宅で販売します。だから家賃はゼロ。固定費はゼロということです。

ただし、今度は、パンを1個焼くのにガス代が10円かかります。2個なら20円。変動費ですね。

材料は同じ小麦粉で、パン1個あたり70円。これも変動費。

こうやって作ったパンを1個100円で売ります。

なので、パンが1個売れれば20円の利益です。

このケースでは赤字にはならないですよね。

パンがまったく売れなければ材料もガスも使わないので、費用もゼロ。利益もゼロです。

パンが1個だけ売れれば利益は20円、2個売れれば利益は40円、3個売れれば利益は60円と増えていきます。

でも、よく見てください。

パンが何個売れても、パン1個あたりの利益は20円のままなのです。

これって規模の経済の効果がないですよね。何個売っても利益率は同じなんですから。

ところが、ここで、

「規模の経済を目指そう!」

と思ってしまって、小麦粉を大量にまとめ買いしてしまうとします。

まとめて買うと安く買えるからですね。

例えば、パン100個分の材料の小麦粉をまとめて買ったら10%安く買えるとします。

するとパン1個あたりの材料費は70円の10%引きなので63円ですね。

これで同じように売ると、パン1個あたりの利益は7円増えて27円!

になるはずでした。

ところが材料をまとめ買いしたために置き場所が無くて、仕方なく倉庫をひとつ借りることになりました。倉庫の家賃は1ヶ月に800円です。

おや?

このケースでパンを100個売ると利益の総額は2,700円ですよね。でも倉庫の家賃が800円かかるので、利益は1,900円になってしまいます。

100個売って利益が1,900円なので、パン1個あたりの利益は19円になってしまいました。

小麦粉を大量にまとめ買いしてなかったときのパン1個あたりの利益は20円だったので、利益率が下がってしまいました。

 

規模の経済が効くケース効かないケース

 

ここで言いたいのは、規模の経済に囚われるあまり、物事の一面だけに目が行ってしまって、他のコストを見落とす可能性があるということです。

大量に材料を仕入れるということは、材料の価格自体は安くなりますが、一方で、在庫を抱えることになるので、それを保管する場所や管理のコストが増える可能性があります。

 

店舗物件を借りるケースであれば、固定費の比率が大きいので、規模の経済が働きやすいですが、自宅で売るケースは変動費だけなので、そもそも規模の経済は働かないのです。

 

規模の経済が効いてくるのは、あくまでも固定費が大きい事業形態。

なかなか利益の出ない経営者のみなさん、もしかしてこういう点を見誤ってはいませんか?

 

というお話でした。

 

ちなみに今回の内容は、この本の第3章の14番を参考にしました。

面白い本なので読んでみてください。Kindle版もあるのでスマートフォンでも読めます。